遺産分割に関する新ルール
今までは遺産分割協議をいつまでにしなければならないといった期限はありませんでしたが、相続発生から遺産分割協議のないまま長期間相続が放置されると、相続が繰り返されて、多数の相続人により、共有が生じ、遺産の管理・処分が困難となっていました。
そこで、相続開始から10年経過することで、原則として法定相続分で画一的に分割することとなります。
改正法の施行日前に開始した相続についても適用されますが、施行時から5年間(令和10年3月31日(2028年))猶予期間が設けられます。
共有制度の見直し
これまで共有が生じている不動産について、所在などがわからない共有者がいる場合には管理や処分(変更)といった行為をすることができませんでした。(管理は共有者の持分の価格の過半数が、処分は共有者全員の同意が必要です。)
・共有物につき軽微な変更をするために必要な要件が緩和されます。(全員の同意は不要で、持分の過半数で決定ができるようになります。)
・所在等が不明な共有者がいる場合には、他の共有者は、地方裁判所に申し立てを行って、決定を得たうえで、残りの共有者の持分の過半数で、管理行為が行え、残りの共有者の全員の同意で変更行為が行えるようになります。
・所在等が不明な共有者がいる場合には、他の共有者は、地方裁判所に申し立てを行って、決定を得たうえで、所在等が不明な共有者の持分を取得したり、その持分を含めて不動産全体を第三者に譲渡することができるようになります。(持分相当額の供託が必要です。)